【5月7日 AFP】シリア北西部イドリブ(Idlib)県マーラトヌマン(Maaret al-Numan)近郊で5日、反体制派が軍の検問所の地下に数週間かけて掘ったトンネルで数トンの爆発物を爆発させ、兵士少なくとも30人が死亡した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が6日、発表した。

 シリア反体制派最大の連合組織「イスラム戦線(Islamic Front)」がインターネット上に投稿したビデオによると、大きな爆発によって地面は引き裂かれ、大量の土砂やがれきが数十メートル上空にまで吹き飛ばされた。

 イドリブ県のある反体制派メンバーはインターネットを通じたAFPの取材に対し、このトンネルは反体制派60人が50日かけて掘ったものだと説明。「爆発後、3棟の建物からなる検問所を戦闘員たちが襲撃した」と語った。

 シリアの反体制派は、自分たちの移動を円滑にしたり、検問所や司令部の地下で爆発物を起爆させ政府施設を攻撃したりするために、しばしばトンネルを用いている。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表によれば、今回爆破された検問所は、イドリブ県内で政権側が死守する拠点の一つ、ワディ・デイフ(Wadi Deif)軍事基地の防衛線上に位置していた。反体制側は1年以上にわたり、ワディ・デイフ基地とそれに近いハマディヤ(Hamadiyeh)の基地を掌握しようと試みているが、これまでのところ政権側は撃退に成功している。(c)AFP